【国分寺お店大賞】高級リストランテの味を楽しめる「Sirenaシレーナ

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【シレーナ オーナーシェフ】 古河サミエルさん

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心を込めた料理を提供するために勇往邁進してきたガーナ人シェフ・サミエルさん

イタリア語で“人魚”を意味する名前が付けられた、国分寺駅北口にあるイタリアンレストラン「Sirena(シレーナ)」。店主は人魚が大好きな、生まれも育ちもガーナというサミエルさん。陽気で明るい笑顔と軽快なトークからは想像もつかないような苦労を重ねて2012年に同店をオープン。最初から順風満帆とはいきませんでしたが、持ち前の明るさと努力の積み重ねで道を切り開き、今では日々客足が絶えない地域に愛される店として評判を集めています。

オーナーシェフ・古河サミエルさん

子どもの頃から料理をすることが好きだったというサミエルさん。祖国ガーナでレストラン経営の経験がありましたが、30代で来日した時は言葉がまったく分からず、日本語学校へ通いながら飲食の仕事に就くためのアルバイトを開始します。しかし正社員を目指すと「外国人は雇えない」「ガーナ人がイタリア料理を作るなんてありえない」などと言われ続け、時には修業のために無給で働いたことも。しかし、「負けたくない」「成長できるまで辞めない」という気持ちを強く持ち、諦めずに続けてきたことが今につながっていると言います。

可愛らしい人魚の看板が掲げられた店

今では人気店となった「シレーナ」ですが、開店当初は苦労の連続。日本国籍を取得しても外国人だからという理由で銀行からの融資が受けられず、開店資金も日々の経費も貯金を切り崩しての自転車操業。インターネットに誹謗中傷とも取れる書き込みがされたこともあり、1日の売上が1,000円という日もあったそうです。しかし、お金がない状況でも周りにある小さなお店へ行っては店主と飲み交わして交友関係を築き、地域に溶け込みつながったことで徐々に評判となり、店は軌道に乗っていきました。「勉強になったし、心が強くなった」とサミエルさんは前向きな気持ちで当時のことを振り返ります。

2016年に現在の場所へ移転。以前は駅から遠く席数が少なかったため拡大

世界各国のエッセンスを取り入れた唯一無二の料理

サミエルさんが作る料理は、まさに唯一無二という言葉がぴったり。日本の食材をイタリアで人気のメニューに合わせてアレンジを加え、塩・胡椒以外の調味料は使わずに、作りたての料理を提供しています。独立を考えた当初は高級リストランテとして都心で挑戦をしたかったそうですが、縁あって国分寺に店を構えることに。それならばと夜のコースは5,500円から用意し、地域性に合わせたカジュアルな店でリストランテの味が楽しめるようにしたそうです。

「ブラータチーズとブロッコリー」2,500円

おすすめメニューのひとつが「ブラータチーズとブロッコリー」。メニューの字面からは想像できない華やかさがあり、イタリア原産のフレッシュチーズ・ブラータチーズを囲む周りには、茹でたブロッコリーとチーズのみを合わせたサラダ風の和え物、その上にキャビア、イクラ、ピンクケッパーを飾って彩りを添えています。フレンチレストランで出てきそうな一品です。

「シレーナ・スペシャル・ピッツァ」2,900円

分厚く高さのある生地がシカゴピザのような「シレーナ・スペシャル・ピッツァ」もぜひ一度食べてほしい一品。ボリューム満点なので3~4人でのシェアがおすすめですが、中はホロホロに煮込まれたニンジンや酸味がアクセントになるトマト、甘さが際立つホウレン草などの野菜が中心なので見た目よりも軽く食べられます。

「料理を作っている時は顔が怖くなる(笑)」とサミエルさん。それだけ真剣に向き合っていることが伝わる

このように、サミエルさんが作る料理は子どもの頃に食べて美味しいと感じたイタリア料理がベース。ポーションが小さくカロリーの高いフランス料理よりも“マンマ”の愛情が伝わるイタリア料理が好みだったことが理由のひとつですが、和食やフレンチなど世界中でさまざまな学びを得たからこそのエッセンスが取り入れられています。他の料理もメニュー表を見るだけでは様子も味も想像ができない遊び心のある料理ばかり。食べたことがある人にだけが分かる良さに、ぜひ触れてみてください。

「国分寺お店大賞」に選ばれて思ったことは?

苦労と努力を重ねて人気店となった「シレーナ」は、2019年と2020年に連続でグランプリに選ばれ「国分寺お店大賞」殿堂入りとなっています。「国分寺お店大賞」とは、国分寺市内の個性的で魅力ある店を発掘し、さらなる魅力向上や地域の活性化を図ることを目的に2018年度から始まった事業で、市民投票で選ばれた受賞店を「飲食部門」と「小売・サービス部門」に分けて毎年発表しています。

店内に飾られた地域の子どもが描いたサミエルさんの絵や料理への感想が描かれた手紙

実は初年度の2018年はエントリーを辞退したサミエルさん。インターネットの口コミよりもリピーターに愛される店であれば良い、実際に来店してくれる地元の方に受け入れられたら良いと思ってのことでしたが、2019年に仲間に勧められてエントリーをしたらグランプリに。そして次年度2020年は落ちるだろうと思って再度エントリーをしたら、まさかの殿堂入りに。国分寺にいる「シレーナ」ファンの強さを感じた出来事だったと言います。

ランチで選べるパスタ一例。写真は半日ほど香味野菜と共に煮込んで味を引き出した「エゾシカ赤ワイン煮込みクリームソース、黒コショウ入り生パスタ」2,600円

ランチセットは1,650円~。サラダorスープ、自家製パン、好きなパスタorピザ、自家製ドルチェ、ドリンク付き

日々、客足の途絶えない人気店になっても現状で満足をせず、常に挑戦しつづけるのがサミエルさん最大の魅力。今後は次世代の教育にも力を入れ、いずれは若手シェフに店を継いでもらい、自分ももっと高みを目指して常にチャレンジを続けていきたいと目を輝かせます。

客席に開かれたオープンキッチンからはシェフたちが真剣に料理に向き合う様子が見られる

美味しい料理はもちろんのこと、細やかな心配りが感じられる接客、高みを目指すシェフの姿が心地よく、思わず通って応援したくなる「シレーナ」。国分寺でちょっと贅沢なランチがしたいと思ったら、ぜひ訪れてほしい1軒です。

店舗情報

Siren(しれーな)

住所:東京都国分寺市本町2-13-9 カーサ・クレール1F
電話:042-401-0755
駐車場:なし
URL https://sirena.favy.jp/
アクセス:JR中央線・西武国分寺線・西武多摩湖線「国分寺駅」北口徒歩5分

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