【吉田すずかさんにもインタビュー!】第1部/東京・国分寺市イメージキャラクター「ホッチ」に迫る

こと・もの

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プロローグ

東京・国分寺市のイメージキャラクターは「ぶんじほたるホッチ(以下、ホッチ)」。ホッチはイベントに出れば子どもたちに囲まれ、グッズもたくさん作られ、今や国分寺市民にとってアイドル的存在となっています。人気の理由はやはり、その圧倒的“可愛さ”。――それは、ホッチの生みの親である吉田すずかさん(詳細後執)が、“可愛いこと”に強いこだわりを持ち、みんなのアイドルになるようにと思いを込めたからです。今回は、そんなイメージキャラクターとして市のために長く活躍している「ホッチ」を深掘りしていきます。

「ホッチ」誕生

ホッチは「ぶんじほたる」という国分寺市にしかいない新種のホタルとして誕生。現在にいたるまで、市の印刷物や啓発品、各種イベントに登場し、イメージ向上や市の魅力発信として日々、さまざまな場面で活躍してくれています。

「ホッチ」は市の依頼を受け、当時市内で創業50周年を迎えた(株)竜の子プロダクション(現 (株)タツノコプロ)により生み出されました。誕生日は2012年8月30日で、現在(令和7年8月30日時点)13歳となります。デザインは、同社の創業者吉田竜夫さんの長女であり、タツノコプロを代表するキャラクターデザインの吉田すずかさんが行いました。

吉田すずかさんから寄贈いただいたスケッチ画像

吉田すずかさんにインタビュー

誕生から長きにわたり活躍しているホッチについて、今回、生みの親である吉田すずかさんへ当時の誕生経緯について伺うことが出来ました。

インタビューに応える吉田すずかさん

「水・緑・光」の象徴としてのホタル・ホッチ

吉田すずかさん:市からキャラクター制作の依頼を受け、キャラクターデザインについては一から検討を行いました。国分寺市は「水・緑・光」が象徴的という特徴を知っていたため、その特徴に合うように自然をモチーフにデザインの発想を行いました。

ご本人も国分寺市生まれであるとのことで、幼少期には用水路や公園で生き物を捕まえて遊んだ経験があり、具体的に市の特徴もイメージ出来ていたとのこと。

吉田すずかさん:ホタルは国分寺で幼少期に見た思い出もあり、清らかな水の象徴としても国分寺市にぴったりだと思い、ホタルを題材にするのがいいかなと考えました。当時の市の担当にホタルのデザインで行きたいと伝えたところ、すんなり、それで行きましょうと了解をしてもらえたため、ホタルをモチーフに制作することが決まりました。制作時には、デザインの特徴として光るお尻、ハート形の顔、赤い模様など「ホタルらしさ」を強調しつつも子どもに覚えてもらえる親しみやすいデザインを意識しました。また、「ホッチ」という名前については、「ハッチ※」のお友達のようなイメージで、響きの良さを重視しています。

※ハッチ:「昆虫物語みなしごハッチ」1970年から放送

可愛いは絶対条件。みんなのアイドル・ホッチ

幼少期から昆虫や水辺の生き物に夢中で、観察・捕獲することが好きだった吉田すずかさん。カマキリやタマムシ、カエル、ホタルなどと触れあった体験が、ホッチを生み出した際の「生き物をモチーフにする」発想に繋がっているといいます。また、現在も活躍しているホッチの着ぐるみについても吉田すずかさん自身が着ぐるみ屋さんへ行き、細部にこだわって制作をしたとのことでした。

吉田すずかさん:着ぐるみも、ちゃんとお尻が光るところがポイントです!

チャームポイントはおしりの光!!

吉田すずかさんは、中学から高校時代にはタツノコプロの合宿にも参加し、早くから第一線で活躍するデザイナーの方々と同じ空間で創作作業や提案などを行うなどされていたとのこと。その後、世に生み出された(株)タツノコプロを代表する吉田すずかさんの作品たちはそんな環境の賜物だったのかもしれません。

作品作りへのこだわりを聞いてみると、大事にしていることは、まず「可愛いこと」と語った吉田すずかさんからは、癒しや親しみやすさを第一に考えて創作されていることが伺えました。

吉田すずかさんとタツノコプロキャラクター

「ホッチ」への思い入れについて吉田すずかさんへ伺うと、

吉田すずかさん:みんなのアイドルになって欲しいと思いながら創作しましたが、本当に人気者になってくれたのは嬉しかったですね。イベント時に「ホッチ、可愛いね」と言ってもらったり、可愛いちびっこたちに応援してもらっている姿を見るもの嬉しくて、こちらも癒されています。

吉田すずかさんはホッチの絵描き歌やダンスなども考案され、実際にイベントでも披露されました。絵描き歌には、食べ物が多く登場します。「美味しそうな感じの方が楽しんでもらえるから」との思いからです。

「やらなければ後悔する」と思い、イベントでは考案した絵描き歌とダンスを自ら披露してくれた吉田すずかさん。ホッチに対する惜しみない愛情の深さとホッチをより多くの人に知ってほしい、好きになって欲しいという思いを強く感じさせられました。

インタビュー中に直筆の絵描き歌を見せてくれました!

吉田すずかさんのInstagram(↓↓)でも絵描き歌とダンスを公開しているので、ぜひ確認してみてください。

≪Instagram;吉田すずか (@yoshidasuzuka125)≫

インタビューを実施した株式会社タツノコプロのエントランス

【吉田すずかさんのプロフィール】

◆ (株)タツノコプロの創業者である吉田竜夫さんの長女として生まれる。
◆ 高校在学中より新番組の企画立案などにたずさわる。
◆ タツノコショートアニメシリーズ「アクビガール」「マッハガール」をはじめ、アニメ作品から自治体や企業のイメージキャラクターまで、新たなタツノコキャラクターを生み出している。

アニメのまち祭りで絵描き歌とダンスを吉田すずかさんが披露

 

ホッチの活躍

ホッチが今までどんな活躍をしてきたのか、市役所職員でホッチ担当でもある塩原さんにも話を伺いました。

国分寺市政策部市政戦略室塩原さん ホッチと共にインタビューを受けてくれました

塩原さん:市では、ホッチ公式X(旧Twitter)を運用しており、市のイベント情報や市がロケ地となった際の周知投稿等を日々「ホッチ」目線で発信しています。「ホッチ」は、今まで様々なイベントに参加してきたのですが、おしりが光るのがチャームポイントということもあり、地域の夏祭りや夜のイベントで大人気。都の名湧水に選ばれている「姿見の池」でホタルを鑑賞するイベント等にも参加してきました。

あくびちゃんと一緒に撮影♪

今年(令和7年)実施した「アニメのまち祭り」でも8月17日にメインイベントを行い、cocobunjiプラザ5階で合間毎に登場したホッチに行列が出来るくらい来場者から人気があり、皆さんに愛してもらっていることを実感したといいます。

そんな「ホッチ」はイラストでも活躍しており、誕生以降、市の周年行事やペンシルロケットのイベント、こくベジや駅の再開発、オリパラなど、市のさまざまな事業を盛り上げるため、多くのデザインに登場をしているといいます。

国分寺市は東京の重心であることをPRするホッチ

フォルムが可愛いのも魅力的と話す塩原さん、「ホッチ」を通して行政の立場から街への効果を感じているそうです。

イベントに出ると子どもたちにも大人気!

塩原さん:以前、雑誌の取材の際にもお伝えをしましたが、イメージキャラクターである「ホッチ」を通して、行政と市民との距離が近くなったと考えています。行政に対してはどうしても固いイメージがもたれてしまいますが、行政手続きの案内や広報物等に登場することで、親しみやすさを演出することが出来、「ホッチ」を入り口として、行政に対する興味を持ってもらえていると感じています。また、「ホッチ」を見ていただくとわかるように、国分寺市内には蛍と出会える場所もあり、自然の豊かさを市のイメージとして定着することにも寄与していると考えています。

着ぐるみホッチ

年間を通して着ぐるみのホッチがイベントの盛り上げに一役買っていますが、ベストな状態で出演できるよう、毎年職員が状態を確認し、メンテナンスを依頼しているといいます。

国分寺市は、都会の中にありながら、湧水や緑地、公園などの豊かな自然と歴史が調和した街であり、市内には多くの魅力的な資源が点在しています。そんな市の魅力・イメージを先頭に立って発信してくれているのが「ホッチ」であるといいます。

塩原さん:国分寺市は、日本の宇宙開発発祥の地等、科学のまちの側面も持っていますが、今後このような当市の魅力をさらに広く知っていただき、市民の皆さんが誇りや愛着を持てるような街にしていきたいと考えています。ホッチを多くのイベントや広報物に活用することで、幅広い世代の方々に行政への関心を持っていただく入口となることを期待しています。

2025年、「アニメのまち祭り」が大成功を収め、改めて「ホッチ」人気の高さを再認識したとともに、(株)タツノコプロをはじめ、官民の垣根を越えてまちを盛り上げることが出来たと感じている塩原さん。本イベントで「ホッチ」が官民の橋渡しをしてくれたように、今後も「ホッチ」の活動を通じて、地域のつながりや活性化、国分寺市への愛着を醸成していくことを目指していきたいとのことです。

今後の「ホッチ」の活躍にもぜひご期待ください。

 

©ホッチプロジェクト/©タツノコプロ

 

【第二部】では、そんな「ホッチ」が活躍した「アニメのまち祭り」を(株)タツノコプロの職員と共に深掘りします!

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